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市場考察vol.1【YAHOO×ソニー不動産の『おうちダイレクト』】

YAHOOとソニー不動産が運営する不動産媒介システム「おうちダイレクト」が、11月16日から運用開始となったようだ。早速、YAHOOのIDから見てみた。

仕組みはこうだ。不動産を売りたいと思う一般消費者がYAHOOを通じ、不動産をダイレクトに売却を依頼する。それを見た一般の購入検討者は、YAHOOを通じ、売り主に直接いろいろな質問をすることもできる。 そして、実際の内見(案内)の際は、ソニー不動産のコーディネーター担当者が、購入検討者と一緒に同行案内し、購入の決定がなされれば、売主の媒介報酬は無で、購入者はソニー不動産に対し、宅建業法規定の3%+6万円を報酬として支払う。その後、ソニー不動産からYAHOOに対しどのような形態で手数料が支払われることになるのかは不明ではあるが・・・。

要約すれば、そのような中身である。ある種の囲い込みとして業界団体からの反発もあるようだが、国交省では、消費者が選択することとしている。 しかしながら、確かに売主の生の声がその物件紹介画面には掲載されている。購入検討者にとっては、十分にメリットのある情報提供方法となっていると感じた。

現在、不動産媒介においては、概ねアットホーム・スーモ・ホームズさん、投資物件については、楽待・健美家さんがネット情報広告の主流を占めているが、その情報提供の方法において、おそらく対抗策を図ってくることだろう。その意味においては、不動産媒介の在り方に一種の風穴を開けたことに間違いない。

昨年、東京で行われた綜合ユニコムさんの企画した不動産投資フォーラムの講演において、ソニー不動産の担当者が「不動産媒介の在り方を根本的に変えたい」と言っていたが、今回のこのシステム構築はその第一弾なのだろう。 個人的な見解としては、首都圏、特に東京では、購入検討者への対応の煩雑さを気にしない売り手にとっては、画期的な良いシステムだと感じるだろう。

しかし、これを地方で行った場合は、一般不動産におけるこのシステムの成立は難しい面もある。なぜなら、物件の売買価格が首都圏とは異なり、その取引価格が小さいものだからだ。また、地方ではあまりに商圏が狭く、物件情報がピンポイントで絞られてしまう。その点、投資用案件については、その余地は残されているようにも感じるところでもあるが・・・。 もちろん、今後、彼らが地方へ本格的に参入しようとする場合は、これらの弱点を補う方策を検討してくるはずである。

以前、同じく前衛的なシステム提供を行った「マザーズオークション」という不動産オークションに加盟したことがあった。マザーズオークションのシステムも画期的ではあったが、現在は親会社に吸収され、システム自体も無くなってしまった。 マザーズオークションは、宅建業者がお客様の依頼を受け、ネット上のオークションシステムへ物件情報を登録するシステムであったが、今回のYAHOO×ソニー不動産はそれを直接コンシューマーに落とし込んだという風にも見て取れる。

そこで、課題となるのは、「では、どうして今回のようなシステムが生まれてきたのか」という点である。 それは、不動産取引の閉鎖性がその根底にある。 とかくコンシューマー(一般消費者)にとって、不動産の取引はそうそうあるものではないし、業者側としては、売り手と買い手それぞれから媒介報酬を得たいと思う。そのため、コンシューマーの利益を超えていわゆる「囲い込み」などの問題が起きると同時に、不動産取引に対する不透明さが残るのである。
今回のYAHOO×ソニー不動産の試みは、業界の在り方を変える可能性を秘めていると思う。それに対抗するためには、業界の透明性を高めることに尽きると考える。彼らに対抗したいならば、それ以上の透明性を確立すれば良いだけなのだ。

とはいうものの、それが一朝一夕でなされるものでないことは、不動産取引に携わるものであれば理解できよう。人口減少、高齢社会、空き家問題、不動産市場を取り巻く環境は現実的には、ますます厳しいものになってくることが予想される。紆余屈折を繰り返しながら形を作っていくのだろうと思う。
しかしながら、またまた原点に戻るが、私自身、マザーズオークションの取引で知り合ったお客様といまだにお付き合いをさせて頂いている。不動産の取引(不動産だけではありませんが)は、常々感じ思うが最終的には「ご縁」である。

不動産取引というものは不思議なもので、いくら買い手が欲しいと言っても決まらないときは決まらないものである。だから、個人的には、無理に物件を勧めるということはしない。決まるときには自然に決まるからだ。
つまり、インターネット上からのご縁であれ、従来型の取引からのご縁であれ、そのご縁を繋ぐために、それぞれの良いところを活かし、お客様にとって最適なお取引のお手伝いとそのお手伝いをするための自らの新しい流通システムを生み出す力やシステムを利用する力が必要なのだろうと感じされられたニュースだった。

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